評価研究部会
評価研究部会のページへようこそ。評価研究部会は毎月日曜の朝を中心にオンラインで評価についての研究活動を行っております。北は北海道から南は長崎まで部員がいるのが特徴で、理論的な評価というよりも現場での実践に重きを置いています。お試しでの参加も可能なので是非一度体験に来てください。
以下は評価研究部会の沿革やこれまでの発表についてです。
評価研発部会は、2012年4月に、テスト研発部会の後部会として活動をスタートさせた。評価研究部会の発足の背景を、2012年1月8日の常任理事会で提示された発足の申請者から抜粋してみる。
2011年度の研究大会のシンポジウム(「中高接続を踏まえた英語 Can・Doリストやタスクに基づいた指導と評価」)で議論がなされたように、評価をベースに考えた場合の授業の在り方などを、既成のCan-Doリストを分析したり、実行されている授業内活動を分類・分析したりすることが、今後の英語教育にとって必要である。2011年6月30日に発表された「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」の中では、「学校は、学習到達目標をCAN-DO リストの形で設定・公表し、達成状況を把握」という形で、これからの評価の指針が提示されている。そこで、テストあるいは評価から授業を振り返り、より効果的な指導方法あるいは学習方法を探究するための研究部会が本学会に存在することの意義は大きいと思われる。
このように、中学・高等学校での英語教育に関して、これまで以上に評価の重要性が認められるようになったことから、本学会での評価研究部会がスタートした。以下その後の発表の概要について記す。なお、すべて所属は発表当時のものである。
<2013年度 研究大会>
タイトル:効果的な英語学習へと生徒を導く定期試験問題とは?
~指導と評価の一体化を目指して~
内容:指導と評価の一体化をどう目指すかを念頭に置きながら、どのようなテスト問題を出題すれば、生徒はどう学習するのか、また、「学習→テスト」の双方向の流れをより良いものにするためには、授業内の活動はどうあるべきかなどについて、具体的な定期試験問題案をいくつか提示しながら、議論していきたい。
発表者:石毛順子(国際教養大学)、工藤洋路(駒沢女子大学)笹生綾子(千代田区立九段中等教育学校)清水公男(木更津工業高等専門学校)、長沼君主(東海大学)本多敏幸(千代田区立九段中等教育学校)
<2014年度 研究大会>
タイトル:第 2 弾:効果的な英語学習へと生徒を導く定期試験問題とは?
~定期試験問題1セット(100 点)の具体例から考える~
内容:昨年度に引き続き、指導と評価の一体化をどう図るかについて、どのようなテスト問題を出題すれば、生徒の学習が促進されるかを、定期試験問題1 セット(100 点)の具体例をベースにして、議論していく。
発表者: 工藤洋路(駒沢女子大学)笹生綾子(千代田区立九段中等教育学校)清水公男(文京学院大学)鈴木千貴(横浜市立東高等学校)田中陽子(東京都立東久留米総合高校)
<2015年度 研究大会>
タイトル:定期考査に向けて生徒はどのような学習をしているか?
内容:本部会では、定期考査前の生徒の学習の実態を把握するためにアンケートを実施し、その回答を普段の授業内容や定期考査の問題と関連付けて分析した。本発表では、この分析結果をもとに、望ましい学習・指導・評価のあり方についてみなさんと一緒に考えます。
発表者:笹生綾子(千代田区立九段中等教育学校)工藤洋路(玉川大学)木幡隆宏(工学院大学)清水公男(文京学院大学)鈴木千貴(横浜市立東高等学校)中村隆(城北埼玉中学・高等学校)牧野彰弘(世田谷区立 緑丘 中学校)
<2016年度研究大会>
タイトル:定期考査の『読むこと』に関する出題について考える ~中高教員へのアンケート調査結果をもとに~
内容:定期考査の『読むこと』に関する出題…その目的は?」「既習の教科書本文そのまま出題していいの?」「工夫すべき点は?」「リーディング問題の出題に自信がもてない…」評価研究部会では、定期考査における「読むこと」の出題についての実態を把握するためにアンケート調査を実施しました。大会ではその分析結果を報告しながら、いわゆる「総合問題」の是非も含めてみなさんと一緒に考えます。
(発表者)笹生綾子(千代田区立九段中等教育学校)工藤洋路(玉川大学)岩瀬俊介(千代田区立九段中等教育学校)清水公男(文京学院大学)鈴木千貴(横浜市立東高等学校)中村隆(城北埼玉中学・高等学校)牧野彰弘(世田谷区立緑丘中学校)
<2017年度研究大会>
タイトル:生徒の『パフォーマンス』を指導・評価する」
内容:『パフォーマンス・テスト』してますか?」「タイミングと方法は?」「そもそも『パフォーマンス・テスト』とは?」「どんな種類があるの?」「理想の『パフォーマンス・テスト』とは?」評価研究部会では、①高等学校におけるパフォーマンス指導とその評価の変遷、②中学校における即興的なやりとりを取り入れたパフォーマンス評価の実践例から、生徒の学習への波及効果と望ましい『パフォーマンス・テスト』のあり方について考察します。
発表者:笹生綾子(千代田区立九段中等教育学校) 工藤洋路(玉川大学)岩瀬俊介(千代田区立九段中等教育学校) 鈴木千貴(横浜市立桜丘高等学校)中村隆(城北埼玉中学・高等学校) 牧野彰宏(世田谷区立緑丘中学校)
<2018年度研究大会>
タイトル:中高における「話すことのパフォーマンステスト」の実態調査」
内容:評価研究部では汎用性の高い評価方法の開発を視野に入れて,まず中高の現場でどのようにパフォーマンステストが行われているか実態調査をすることにしました。大会では結果分析から得られた知見についてお話ししたいと考えています。なお,パフォーマンステストは「話すこと」に限定して質問紙を作成し,評価対象とする活動の種類,授業活動とテストの関係,評価の目的・形式・タイミング,評価スケールの具体的内容などについて調査します。さらに,現場の先生方がパフォーマンステストの実施上工夫している点や問題点などについても言及する予定です。
発表者:中村隆(城北埼玉中学高等学校) 岩瀬俊介(千代田区立九段中等教育学校)工藤洋路(玉川大学) 鈴木千貴(横浜市立桜丘高等学校)牧野彰弘(世田谷区立緑丘中学校)
<2019年度研究大会>
タイトル:日常のアウトプット活動評価-学習段階に応じたスケールとは
内容:私たち評価研究部会では,話すことのパフォーマンステストを日常的に教室で行うにはどうすればよいか,また具体的にどう評価するべきかについて研究を始めて3年目になります。7月の奇数月例会での中間発表では,部員の実践例を視聴してオーディエンスの皆さんにも評価体験をしてもらいました。その分析結果も大会でご報告する予定です。私たちの提案するスケールはもちろん完成形ではありませんが,日常の授業と評価とはどうあるべきかについて考えるプロセスを皆さんと共有できたらと考えています。
発表者:中村隆(明治学院高等学校非常勤)岩瀬俊介(学法石川高等学校)荒川高広(千代田区立九段中等教育学校) 矢野郁(東京都立江北高等学校)
<2020年度研究大会>
タイトル:大学入学共通テスト試行調査リスニングの分析と教室指導への示唆
内容:新学習指導要領の新たな指導観「思考力,判断力,表現力」と評価のあり方について,次年度から導入が予定されている大学入学共通テスト(新テスト)をリサーチ対象にしました。大学入試センターが開示している試行調査データ(2017, 2018)で,今回はリスニングにおいて受験者の反応に特徴的な傾向が見られる項目を抽出,さらに高2~3生を被験者にして受験後質問紙調査を行い,その回答行動分析を試みます。プレテストにおいて学習者がどのような部分に困難を感じているのか,後半の読み上げ1回項目も2回読み上げるとどうなるかなど,得られた知見から日頃の指導について提案ができればと考えています。
発表者:中村隆(明治学院高等学校非常勤)岩瀬俊介(学法石川高等学校)荒川高広(千代田区立九段中等教育学校)矢野郁(東京都立江北高等学校)
<2021年度研究大会>
タイトル:思考力・判断力・表現力から見た項目の機能分類~大学入学共通テストReading
内容:思考力・判断力・表現力を「測る」とはどういうことか。現場での作問上工夫すべきこととは,本来どのようなことになるのだろうか。共通テストリーディング問題(第一日程)を対象に学習指導要領の目標文との対応を見ながら機能分類をしてみることで,このテーマへのアプローチを試みます。まだまだ未知の分野ですが,各現場の変容や工夫についてオーディエンスの皆さんともシェアできればと考えています。
発表者:中村隆(明治学院高等学校非常勤),荒川高広(千代田区立九段中等教育学校),今田健蔵(東京大学教育学部附属中等教育学校),黄俐嘉(世田谷区立緑丘中学校),鈴木省三(東京都立足立東高等学校),鈴木千貴(横浜市立横浜総合高等学校)高杉達也(東京都立小石川中等教育学校),藤崎美佳(沼津市立沼津高等学校),矢野郁(東京都立江北高等学校)岩瀬俊介(学法石川高等学校・石川義塾中学校)
<2022年度研究大会>
タイトル:中高の定期考査における思・判・表の具現化を考える
内容:評価部会ではこれまで共通テストの分析を通して,新3観点の特に「思・判・表」を測るテストの在り方について検討してきた。新3観点評価が高校でも導入された今年度は,定期考査で「知・技」,「思・判・表」,「主体的態度」評価をどう具現化していくかについて考査問題試案を共有しながら,議論を続けている。既読教材の中でも目的・場面・状況の設定次第で思考や深い理解を促す学習に結びつけられないか,現時点で考えられる着地点をいくつか示すことで,フロアの率直な印象を伺いたいと考えている。
発表者:中村隆(明治学院高等学校非常勤),荒川高広(千代田区立九段中等教育学校),鈴木省三(東京都立足立東高等学校),高杉達也(東京都立小石川中等教育学校)黄俐嘉(千代田区立九段中等教育学校)
<2023年度研究大会>
タイトル:思・判・表その後~改めて様々な角度から
内容:評価部会では、「思・判・表」育成へつながる授業活動やテストの在り方についてこれまでリサーチを行ってきたが、今年はテーマを特に1つに絞り込まず、各部員がこれまでの研究に基づきそれぞれの現場で実践してきたことを共有しながら議論を進めてきた。今大会では、①態度評価についての考え方、②入門期における知識・技能の指導と評価のあり方、③論理表現、英語コミュニケーションにおける思判表へつなげる活動(生徒活動動画含む)、④授業準備における生成AI利用のアイデア、について情報提供したいと考えている。
発表者:中村隆(明治学院高等学校・非),岩瀬俊介(学法石川高等学校・石川義塾中学校),遠藤修史(山梨県立甲府第一高等学校),高杉達也(筑波大学附属中学校),高場政晃(兵庫県立明石高等学校)